先生vs.コロナ~終戦Xデーまであと★日~

東京の私学の先生がコロナ禍に置かれた教育現場でなんとなく奮闘する物語です。

先生vs.コロナ~終戦Xデーまであと★日-348~

「#教師のバトン」が話題になっています。

このブログを閉じる前に、私もこのバトンについてつれづれなるままに書き連ねておきたいと思いました。

もし、「#教師のバトン」からこちらのブログにたどりついた方で、もし興味があれば過去のブログもお読みいただけると幸いです。

さて、大前提で教師という仕事は「最高に魅力のある」ものなんです。もちろん、私の個人の意見ですが。しかし、学校種(小・中・高/公立・私立)によってその魅力は大きく変わります。そして、何よりももちろん魅力だけではなく、改善点だって多々あります。

それら全部をひっくるめて、私は教師という仕事に就けたことを幸せに感じていますし、ぜひこの教師という魅力ある仕事のバトンを次世代にきちんと渡していきたいと思います。

しかし!!できれば負の遺産である改善点は少しでも減らして渡したいですし、私も現状で改善できるものは改善して、自分の生活をより良いものにしたいと感じています。

だからこそ、東京にある私立高校の中堅教員が、これまでの経験をもとにした教師という仕事の魅力&改善点をまとめておきます。これは、誰かに見てほしいという思いもある反面、自分自身の教員生活の振り返りの意味も込めてです。あくまで私見ですので、さまざまな意見もあるかもしれませんが、一教員の現状ということで寛大な目でご覧いただけると助かります。そして、何よりもその魅力と改善点は表裏の関係性にあると痛感しました。

 

【教師の魅力(バトンとして引き継ぎたいもの)】

  • 次世代を育成できる最前線で働くことによるやりがい

→やりがいの搾取ともいわれるようですが、私はそうは感じないですね。

  • 教材研究(授業準備)が趣味に直結する

→教科の勉強は自己研鑽につながります

  • 校務分掌で新たな自分を発見できる

→私は入試広報(いわゆる営業部)の責任者をしていますが、まさか新任の頃はそのようなことをしているとは思わず、また営業関係の勉強もするようになりました

  • 部活動で生徒たちから感動をもらえる

→もちろん大変です。でも運動部、文化部問わず彼らからたくさんの感動をもらえます

  • 保護者との関りで学ぶこと

→特に若い頃は、自分より年配の保護者からたくさんのことを学ばせてもらいました。

 

【教師の改善点(バトンとして引き継いではいけないもの)】

  • 労働環境

→これは残念ながら改善しないといけない最大の点です。むしろ、これに尽きます。私は20代の頃、6:00~22:00くらい職場にいるのが当たり前でしたし、たとえば2020年でも300時間を超えて労働した月も残念ながらありました。また、勤務校ではこの10年で数名の先生が亡くなり、複数の先生がいわゆる心の病になっているのが現実です。

そして、「#教師のバトン」での他の投稿を見ていても、圧倒的にこの部分なんですね。しかし、なぜそれらが解決できないのか。それは先生ひとりひとりによって改善してほしい点が異なるからです。ただ、それらをきちんと細分化して、可視化して、具体的な改善点を示すことが大切です。

そこで、この「労働環境」を改善するための方策を私見でまとめておきます。

 

【教師の労働環境を改善するための具体的方策】

《大前提》所属長などによるヒアリングをして先生ひとりひとりを適材適所に働いてもらい、先生方が幸せに働ける学校とする=生徒や地域住民の方など、その学校に関わる人すべてが幸せに日々を送れる

★本格的なOJTの導入:教師がきちんと育成される環境づくりと定期的にフィードバックをすることにより、適性なども考慮した人員配置につながる

★部活動の外部人材の導入:労働時間として圧倒的に占めているのがこの部活の時間です。それらを解決するためには、文科省も推し進めている部活の外部人材の導入などにより、部活に携わりたい教師とそうではない教師をきちんと役割分担として分けることが必要

★校務分掌の適正な人員配置:私立学校だと、どうしても人員配置が硬直化して、教師のメンタルにも悪影響をおよぼすケースが見受けられる。だからこそ、大前提である教師ひとりひとりの現状を把握して、適材適所の人材配置をしていくことが必要不可欠

★強要する職場から共有する職場へ:これはあえて言います。教師という仕事をつく人だけではなく、広く社会に出ると、後輩たちにマウントをとり、自分がやってきたことを押し付ける、つまり強要する人が少なからずいる。しかし、学校がそんなことでは到底次世代を育むことはできません!!だからこそ、強要するのではなく自分の知見や経験を共有できる職場、つまり学習する学校であると良いですね。まぁ、当たり前のことですが、残念ながら当たり前ではない方もいます。

だから、たとえば部活で生徒と関わることが大事だから、部活を持つべきだ!とか、若いうちはこれをやれ!とか、そんなことを言わないでほしいなぁと強く思います。正直私は散々言われてきました(笑)だから、私は絶対に自分より若い先生には言いません。もちろん、共有することは大事なので、たとえば部活で得られた感動や若い頃の経験を話はしますが、あとはそれらをどう受け取り、どう動くかはその相手次第ですからね。絶対に、強要はしたくはありません。

 

以上を解決して、よく言われる「授業準備の時間が確保できない」「生徒とかかわる時間がとれない」という特に若い先生方の声をなくしていくのが必要だと思います。

 

私自身、現在私立高校で勤務をしながら、大学で教職課程、つまり先生を目指す、バトンを受け取る側の大学生のみなさんとこの数年関わってきました。

そして、やっぱり渡すのであれば、魅力あふれる教師のバトンを渡したいです。

つい、思いが高まって今日はつれづれなるままに書き連ねすぎてしまいましたが…それでもまだまだ言いたいことは山ほどあります(笑)でも、匿名で何かを言うくらいなら、少しでも目の前の改善点を解決していくほうが良いので…今日ものらりくらり教師という仕事の魅力を高め、自分自身が幸せに生きられるようにあろうと思います。